住宅営業のコツ「電話アポイントを取るためのコンテンツ活用術」
住宅営業の手法として、最も多く活用されている手法の1つに電話営業があります。住宅展示場や完成見学会などで獲得した新規見込み客の自宅に電話をかけてアポイントにつなげ、商談を進めていくメジャーな住宅営業方法です。しかし、電話営業してもアポイントが取れない、商談にならないといった悩みがあるようです。そこで、今回のコラムでは、電話営業でアポイントを取るための「コンテンツ活用術」について解説します。
住宅の電話営業の課題「アポイント」
住宅の電話営業では、見込み客とのアポイント獲得が最大の狙いです。オンライン面談でも訪問面談でも、話ができることで商談が進む可能性があります。しかし、次のような理由でアポイントにつながらないことが多いことでしょう。
住宅営業がなかなかアポイントにつながらない主な理由
このほかにもさまざまな要因があると思いますが、こういった要因が複雑に絡み合い、アポイントにつながりません。しかし、そうはいっても、いつかは購入する可能性のあるのが住宅です。そのため、根気良く見込み客との接点を作り続けることが重要となります。
住宅営業で「アポイント」を取るためのコンテンツ活用方法とは?
では、具体的にどのようにするとアポイントにつながるでしょうか?電話をかけ続けるのは疲弊していく可能性がありますので、現実的ではないと考えます。あまりにしつこいと嫌がられてしまいます。そこで具体的な作戦として「コンテンツを使う」という方法をこの記事では解説したいと思います。ここでいうコンテンツとは、「住宅購入に関連する情報」のことです。
「住宅購入に関連する情報」の具体例を考えてみましょう。そのためには、住宅購入の検討者(見込み客)を4つのグループに分けて考えると良いです。その4つのグループが下記の表になります。
住宅購入の検討段階別で考える4つの見込み客グループ
「見込み客A」は、住宅メーカーの情報を収集しており、住宅購入もまだ検討中で買うかどうかも決まっていない見込み客です。住宅営業から見れば、最も契約成立に遠い見込み客です。当然、中には買うこと自体をやめる人もいれば、徐々に検討を進め数ヶ月後には購入すると決断する人もいるでしょう。
「見込み客B」は、ある程度住宅メーカーを数社に絞り、この数社に相談しようかどうかで迷っている状況の見込み客です。まだ住宅を買うとは決めていません。そのため、選定した数社に話を聞きながら購入の意思を固めていくことになります。ここでは住宅メーカーとしての認知度・ブランド力が重要になります。
「見込み客C」は、何らかの事情で住宅購入をすることは決まっており、その上で住宅メーカーの情報を収集している見込み客です。例えば親から土地を相続したなどが考えられます。選定の中に入ることができれば、相談を獲得でき、非常に確度が高い状態で商談が進められます。
「見込み客D」は、最終決断の段階の見込み客です。競合に勝つことさえできれば、契約成立ですので、最も確度が高いと言えます。しかし残念ながらなかなかこういう見込み客はいないのも事実です。
このように、4つのグループに分けて考えると、「見込み客AからC」の見込み客を、「見込み客D」の状態に育成できれば、住宅営業としては成功していると言えます。つまり、「見込み客AからC」に対してどんな電話営業をすればいいのか?ということになります。
見込み客Aに対する電話営業とコンテンツ活用例
最初に見込み客Aへの電話営業を考えてみましょう。「見込み客A」は、住宅メーカーの情報を収集中ですが、住宅購入はまだ検討中で買うかどうかも決まっていない見込み客です。そのため、住宅を売り込んでも購入するかどうかが決まっていない以上、反応は良くありません。そこで、次のようなコンテンツを活用しましょう。
<見込み客Aへのコンテンツ例1> 1:先輩購入者が「住宅購入の資金不安を解消した方法」 2:先輩購入者が「希望する土地をうまく見つけられた方法」 3:先輩購入者が「子育てするのに住宅購入を決断した10の理由」 |
このように、既に購入済みの先輩購入者が住宅購入を決断したノウハウのような情報をコンテンツとして見込み客Aに提供してみましょう。自社の住宅を売り込みしたい気持ちを抑えて、まずは「住宅を購入してもらうことを決断してもらう」ことに焦点を当てます。売り込みは住宅購入を決断いただいてからでOKです。
このほか以下のようなコンテンツでも良いと考えます。
<見込み客Aへのコンテンツ例2> 1:今月のおすすめドライブスポット!小さなお子様が喜ぶドライブコース 2:子育て中の弊社のお客様に聞いた!おすすめの子育て応援レストランTOP10 |
このようなコンテンツにすると、住宅営業とは全く異なるコンテンツになりますが、「見込み客A」から見れば、「自分達にとって役に立つ情報をくれる人」として印象づきます。そうすれば、徐々に仲良くなることもできる可能性があります。「この前おすすめのドライブスポット行きましたよー」というように、共通の話題ができれば関係性も深められます。
こういったコンテンツを準備し、電話で案内します。例えば、次のように電話してみましょう。
こういった電話が継続的にできれば、だんだん仲良くなって、見込み客Aとの信頼関係も深まり、商談化していく可能性が高くなります。そして、見込み客Aが「住宅購入の相談に乗って欲しい」と言ってくれれば、大成功です。
見込み客Bに対する電話営業とコンテンツ活用例
「見込み客B」は、ある程度住宅メーカーを数社に絞り、この数社に相談しようかどうかで迷っている状況の見込み客です。このため、見込み客Aと同様に、まだ購入するとは決断できていないので、見込み客Aに対するコンテンツも効果的です。ですが、のんびりしていると競合に取られる可能性もあるため、自社がどんな相談に乗れるか?をメニュー化してそのメニューをコンテンツで伝えるとよいでしょう。要するに、こんな相談にいつでも無料で乗りますよーという案内をコンテンツ化します。例えば次のようなイメージです。
<見込み客Bへのコンテンツ例> 住宅購入を検討されている方へ 住宅購入に関する以下のような無料相談を受付中。お気軽にご相談ください。 1:理想の土地を見つけるためのインターネット活用方法の相談 2:住宅資金に不安がある方のための住宅ローン相談 3:子育て・老後・住宅資金のやりくりをどうするか?を検討する相談 |
相談メニューは「見込み客B」が抱えていそうな悩みをメニュー化すること、そして、自社で受けられる内容をメニュー化することが重要です。メニュー化ができたら、電話で案内してみましょう。
ういった電話を継続的に行い、徐々に仲良くなっていけば、信頼関係も深まり、商談化していく可能性が高くなります。
見込み客Cに対する電話営業とコンテンツ活用例
「見込み客C」は、何らかの事情で住宅を購入することは決まっており、その上で住宅メーカーの情報を収集している見込み客です。このため、資金や間取りの相談も含めた相談メニューを作ると効果的です。
「見込み客B」の相談メニューに加えて以下のようなメニューがあると効果的です。
<見込み客Cへのコンテンツ例> 1:住宅ローンシミュレーションとローン相談 2:先輩購入者の間取り例紹介と間取りの個別相談 |
「見込み客B」の相談メニューに比べて、だいぶ具体的な内容になりますが、この相談ができるようになると、いよいよ商談が進み始めるでしょう。
住宅営業に役立つコンテンツ活用のまとめ
このように、見込み客A、見込み客B、見込み客Cに対して、相手が求めているコンテンツを使って電話営業することで、徐々に見込み客D(最も確度が高い見込み客)へと育成することができます。100%は難しいですがその可能性を高くすることができます。さらに、毎回同じ電話営業ではなく、手を替え品を替え、いろんな電話営業ができるようになり、アポイントの可能性も高くなります。
見込み客Aのコンテンツ例:初対面の方との関係性を深めるコンテンツ活用を狙う 1:先輩購入者が「住宅購入の資金不安を解消した方法」 2:先輩購入者が「希望する土地をうまく見つけられた方法」 3:先輩購入者が「子育てするのに住宅購入を決断した10の理由」 4:今月のおすすめドライブスポット!小さなお子様が喜ぶドライブコース 5:子育て中の弊社のお客様に聞いた!おすすめの子育て応援レストランTOP10 |
見込み客Bのコンテンツ例:具体的な相談に持っていくためのコンテンツ活用を狙う 1:理想の土地を見つけるためのインターネット活用方法の相談 2:住宅資金に不安がある方のための住宅ローン相談 |
見込み客Bのコンテンツ例:具体的な相談に持っていくためのコンテンツ活用を狙う 1:理想の土地を見つけるためのインターネット活用方法の相談 2:住宅資金に不安がある方のための住宅ローン相談 3:子育て・老後・住宅資金のやりくりをどうするか?を検討する相談 |
見込み客Cのコンテンツ例:具体的な相談を進めるためのコンテンツ活用を狙う 1:住宅ローンシミュレーションとローン相談 2:先輩購入者の間取り例紹介と間取りの個別相談 |
住宅展示場などで獲得した見込み客は、おそらくほとんどが見込み客Aか見込み客Bの可能性が高いと思います。そのため、まずは見込み客Aか見込み客Bのコンテンツを事前に準備しておき、見込み客を獲得したら、それらのコンテンツを使って電話営業に展開するとよいでしょう。
ただ電話するのではなく、ご紹介したコンテンツを武器にして電話することで、より電話営業のアポイントの可能性を高くすることができると考えられます。よろしければぜひチャレンジしてみてください。